諸行無常、暮れの自分の愚行、ここに極まれり

真っ暗を抜けて電車が地上へと戻ってきたのとざっと共に自分は静かに瞳を開いた。
そこにはまったく少しだけ負い目が残っている
ほんの束の間、それも一秒足らずのスナップの総和フレーム、一秒未満の機会だけ、異性としてのN・Aを意識してしまった。
お互いに毅然たるモットーを持って牽制し合い、最後までこぶしをさわることはなかった。
「N、許せ」
HOMEを踏み、状態を走り抜け下り、自分は雑念を拭い去るべく女房が控えるはずの家まで爆走した。
意欲と乳酸に抑止された人体ひとつで、自分は仮に家まで行き着く。
ハンドルを回すと扉はきっちりと施錠されていた。
メーターは回っていない。
これはもぬけの殻という人間だろうか。それも、当然と言えば当然の報いです。
こういう暮れに妻を取り残して、やり場の薄い懸念から街角へとひとり繰り出し、挙句の果てには学生時代の妻と心持ちの蜜月を——。
洗い浚いは他でも無い、自分が乏しい。自業自得以外の何物でもなかった。http://xn--eckeogs9d6olcm8ec1h.xyz/